アレルギー性鼻炎、花粉症

  • アレルギー性鼻炎、花粉症の原因

    アレルギーは、花粉やダニ、ほこりなどの物質に対して、鼻や気管支の粘膜が過剰に反応を起こすために生じます。 鼻水、くしゃみ、咳、痰が出て,ひどくなると粘膜のむくみが続き鼻つまりを起こします。
    花粉症とは、花粉が原因でアレルギーを起こすものです。
    花粉症もアレルギー性鼻炎の一つです。スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどの花粉が代表的で、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。
    ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットのフケなど、一年中起こるアレルギー性鼻炎を、通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれます。

  • アレルギー性鼻炎、花粉症の症状

    鼻水、くしゃみ、ひどくなると粘膜のむくみが、鼻つまりを起こします。 アレルギーは鼻の症状だけでなく、目がかゆくなったり(アレルギー性結膜炎)、喉の痛みやイガイガ(アレルギー性咽頭炎)、 咳や痰が出る(アレルギー性気管支炎)など、アレルギーを起こす場所によって様々な症状を引き起こします。

  • アレルギー性鼻炎、花粉症の検査、治療

    アレルギー性鼻炎の鼻ポリープ

    当院で行うアレルギー検査
    鼻汁好酸球検査:
    鼻水を顕微鏡で観察しどのような細胞が出ているかを確認することで、アレルギー反応の有無を確認します。 具体的には、好酸球という細胞が確認できればアレルギーの可能性が高まります。
    抗体検査 :RAST(特異的、非特異的IgE定量)
    採血検査でアレルギーの有無を確認します。
    ハウスダスト、ダニなど家のほこりで通年性アレルギーの原因となります
    カビ;アルテルナリアというカビでエアコンやお風呂場など湿気の多いところに存在し、通年性アレルギーの原因です
    スギ、ヒノキ;2~5月に飛散します
    イネ科花粉;カモガヤ、5月~9月の夏場が中心です。
    キク科花粉;ヨモギ、ブタクサ、秋の代表的な花粉症の原因
    必要に応じてイヌ、ネコなどのペット、ゴキブリなどのアレルゲンを検査します。

  • アレルギー性鼻炎・花粉症の治療

    ① 薬物療法
    症状に応じて内服薬,目薬,鼻のスプレー,のどの吸入薬を用います。 具体的には、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤などの抗アレルギー薬やステロイドの内服や点鼻、点眼を行います。 症状に応じて内服薬も複数内服したり、点薬を併用することがあります。
    花粉症で原因の場合,症状が出る前から「予防投薬」を行うが効果的です。例えばスギの花粉症ならば,花粉が飛び始める前の1月下旬からの飲み薬を開始すると、症状が楽になります。
    ② 漢方薬による治療
    内服の治療として漢方薬を使うことがあります。漢方薬をご希望の方はその旨をお伝えください。
    ③ 手術
    "下鼻甲介粘膜レ-ザ-焼灼術というレーザーで粘膜を焼く手術を行っています。
    下記のような方には積極的におすすめしています。
    薬が効きにくい人
    薬で眠気が出る人
    薬を減らしたい人
    鼻づまり感が強い人
    妊娠希望や実際に妊娠している人、授乳中の人
    季節性アレルギー性鼻炎の人
    (通年性アレルギー性鼻炎の人は効果の持続が短くなる可能性があります)
    効果が乏しい場合には数か月以内に2回行うことがあり、繰り返していくうちに効果が出やすくなります。
    症状を抑える対症療法の一つですので、アレルギー体質が変わるわけではありません。
    レーザー治療の効果の持続期間はだいたい2年前後ですが、個人差があります。しかし通年性アレルギー性鼻炎の人は、効果が短くなる傾向があります。
    薬の中止や減量できたり、薬は必要だが症状は楽になったという方が大半ですが、完全にアレルギーがなくなることはないことをご理解ください。
    レーザー治療は保険が適用でき、3割負担の方で、両鼻合わせて約9,000円程度になります。

  • 注意していただきたいこと

    アレルギーがあると、かぜをひきやすく、また長引きやすくなります。また中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎を合併しやすくなるので注意が必要です。
    食生活の変化や環境汚染、衛生環境の改善など様々な原因でアレルギー体質の人が増えてきており、また発症年令も低年齢化してきています。 例えば、スギなどの花粉症は以前まで小学性で発症することが多く、2,3歳児のアレルギーに罹患した場合その原因はダニなどが多かったと言えます。 しかし花粉を毎年吸う事によって早ければ2、3才から発症するお子さんも時々見かけるようになりました。

  • 花粉症やダニ,カビのアレルギーの方の日常生活の注意点

    ・花粉症時期は家族全員の協力が必要です。家の中に持ち込まないように玄関で服をたたいて花粉を落とすよう心がけてください。
    ・洗濯物を干すときは午前中に干すようにしてください。花粉がもっとも飛ぶのは晴れた日の昼以降です。その時間帯はなるべく干さないようにしてください。
    ・じゅうたん,布製ソファ-、畳、ぬいぐるみなどは取り除くようにしてください。
    ・部屋の掃除を徹底して行うよう心掛けてください。
    ・梅雨は除湿,夏や冬も冷暖房に加え,除湿に心がけてください。

ページトップへもどる

当院における鼻炎に対するレーザー治療

  • 当院ではアレルギー性鼻炎に対して、レーザー治療を行っています。
    レーザーで鼻粘膜を焼き、粘膜を収縮させて鼻の粘膜の腫れを引かせて鼻つまりを改善させるとともに、鼻の粘膜を変性させて、くしゃみ、鼻水が改善します。

    下記のような方はレーザー治療をご検討ください。
    薬が効きにくい人
    薬で眠気が出る人
    薬を減らしたい人
    鼻づまり感が強い人
    妊娠希望や実際に妊娠している人、授乳中の人
    季節性アレルギー性鼻炎の人
    (通年性アレルギー性鼻炎の人は効果の持続が短くなる可能性があります)

    ・レーザーが効きやすいのは次のような方です。
    鼻つまりが主な症状である
    ある一定の時期だけ花粉症の症状が出る(スギ、ヒノキなどの季節性アレルギー)
    鼻中隔弯曲などの構造の異常がない

    ・レーザーが効きにくいのは次のような方です。
    くしゃみ、鼻水が主な症状である
    一年中、鼻炎の症状がある(ハウスダスト、ダニなどの通年性アレルギー)
    鼻中隔弯曲などの構造の異常がある。

    レーザー治療の流れ
    鼻のレーザー治療に興味のある方は、診察の際にお気軽にご相談ください。まず一度診察を行い、レーザー治療の適応と考えられる場合は、治療日時を予約していただきます。

    治療当日の流れ
    ① 鼻に局所麻酔のスプレーを行ったあと、麻酔薬を浸したガーゼを鼻の中に入れます。
    ② 約15分間、麻酔が効いてくるまでお待ちいただきます。
    ③ 麻酔のガーゼを鼻に抜いて、レーザー治療を開始します(左右同時に行いトータルで15~20分程度です)。
    ④ 治療後は、ファイバースコープなどで出血が無いのを確認して終了します。
    治療後は、1~2週間後に経過観察のため受診していただきますので、治療後、最低2回の通院が必要となります。

  • 注意していただきたいこと

    ① 鼻炎の症状が強く出ている時はレーザーの効果が乏しいことがあります。 そのため治療前に1~2週間抗アレルギー薬を内服して症状を抑えてからレーザー治療を行います。
    ② 市販の点鼻薬をよく使っていた方は、レーザーの効果が乏しい場合があります。
    ③ 鼻中隔弯曲の強い方ではレーザー治療が十分に行えない場合があります。
    ④ レーザー治療の効果の持続期間には個人差がありますが、半年~2、3年ぐらいです。
    ⑤ 花粉症の時期は、症状が出ていることが多いため、レーザー治療は行わない方がいいことが多いです。

ページトップへもどる

花粉症と間違いやすい鼻炎のいろいろ

  • 鼻過敏症、血管運動性鼻炎

    季節の変わり目やエアコン、梅雨や台風にシーズンなど気温・気圧の変化、風邪を引いた後、黄砂やPM2.5、プールの消毒薬などの刺激により鼻炎症状を引き起こすことがあります。
    また早朝などの副交感神経が優位になる時間帯など、自律神経の影響で鼻水、鼻つまりがひどくなります(モーニングアタックと呼ばれています)
    その他、萎縮性鼻炎(加齢による)や、好酸球性鼻炎化学物質による鼻炎(シックハウス症候群など)、妊娠性鼻炎(妊婦さんが妊娠後半や出産後におこりやすい)など様々な鼻炎があります。

ページトップへもどる

副鼻腔炎(蓄のう症)

鼻や目の周りには副鼻腔と呼ばれる空間があります。
副鼻腔には上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞の4つがあります。
この副鼻腔は鼻の空間と細い管でつながっています。
この空間に細菌、アレルギーなどで粘膜がはれて開口部がふさがれたりすると、副鼻腔の粘膜に炎症が起きて副鼻腔炎となります。
鼻かぜに続発して起きるものを急性副鼻腔炎とよび、3ヶ月以上つづくものを慢性副鼻腔炎といいます。

  • 副鼻腔炎の原因

    鼻ポリープ゚

    急性副鼻腔炎は、風邪に続発して発症します。
    慢性副鼻腔炎は、両側に生じることが多く、アレルギー性鼻炎、鼻腔が狭い、などの複数の要因がかさなって起こります。
    片側だけの副鼻腔炎は、鼻中隔弯曲など片側の鼻腔が狭い場合に起こりますが、それ以外に癌や良性腫瘍、カビによる副鼻腔真菌症、歯の根元の炎症による歯性上顎洞炎に注意が必要です。
    小児では、アデノイドの肥大があると、急性感染を繰り返し慢性化しやすくなります。

  • 副鼻腔炎の症状

    鼻水
    初期の風邪はほとんどがウイルスによるものが多く、鼻水も水様性ですが、細菌感染を併発することで黄色や黄緑色の鼻水に変わっていきます。
    後鼻漏(こうびろう)
    鼻水が鼻の奥からのどに落ちることで不快感が出ます。後鼻漏により喉の違和感や痰の絡んだような咳が出ます。
    鼻づまり
    鼻炎、副鼻腔炎の慢性的な鼻つまりは、子供の場合、集中力が低下してきます。
    痛み
    炎症の部位により痛みも異なります。
    額、頭の前の方の痛みがあると前頭洞に炎症が起こっている可能性があります。
    目の奥の痛みは 篩骨洞炎、蝶形骨洞炎の症状で、まれに視力障害を起こすこともあります。
    頬部の痛みは上顎洞炎の所見です。
    また明らかな副鼻腔炎がなくても、副鼻腔への換気が障害されると、副鼻腔が陰圧になり目の周囲の鈍痛を感じやすくなります。
    嗅覚障害
    鼻腔の最上部に嗅神経があります。鼻炎、副鼻腔炎により粘膜が腫れて空気が到達できないことによるのもと、ウイルスなどにより神経が直接障害されてしまう場合があります。

  • 副鼻腔炎の検査、診断

    問診による症状の確認の他、鼻腔内の観察と膿性鼻漏の確認を行います。
    状況により鼻腔ファイバー検査により副鼻腔の入口から膿性の鼻水が出ているのを確認します。 さらなる検査として副鼻腔レントゲン検査、CT、MRIなどの画像検査で副鼻腔炎の有無を確認することもあります。 また原因となっている菌を確認するため細菌検査を行ったり、ポリープの性質を調べるために一部を切除して病理組織検査を行うこともあります。

  • 副鼻腔炎の治療

    鼻処置、ネブライザー
    通院していただき、鼻腔を広げて掃除した後に、鼻の腫れを取る蒸気を吸う治療があります(ネブライザー治療)
    薬による治療
    時期や副鼻腔炎の種類により使い分けることが必要です。
    急性副鼻腔炎には、初期には抗生物質を使います。その他には消炎酵素剤、去痰剤、坑アレルギー剤などを組み合わせて使用します。
    急性副鼻腔炎の急性期が過ぎたころや、慢性副鼻腔炎の場合には、マクロライドというタイプのマイルドな抗生物質を少量長期(1~6ヶ月間)服用していただきます (マクロライド少量長期療法)マクロライドという薬は粘膜の炎症を抑えたり、免疫を高める作用があると言われており、軽症の副鼻腔炎であればこの治療法で完治する場合も少なくありません。
    手術による治療
    内視鏡下副鼻腔手術
    薬や通院による治療で改善がない場合には手術が必要となることがあります。内視鏡手術は、鼻腔から副鼻腔の入口を広げることによって換気を改善する手術です。 手術後粘膜が落ちつくまでの少なくとも半年は経過をみる必要があります。症状や重症度に応じて関連病院に紹介します。
    鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介骨切除術、鼻ポリープ切除術
    鼻腔の形態を改善し、副鼻腔への換気を改善する手術で、個々の患者さんの状態によって内視鏡下副鼻腔手術と組み合わせて行います。

  • 注意していただきたいこと

    ・かぜが1週間近く治らず、膿性の黄緑色の鼻が増えてきた場合は急性副鼻腔炎を続発した可能性が高いです。
    ・アレルギ―性鼻炎、鼻中隔彎曲症、小児ではアデノイド肥大があれば副鼻腔炎を起こしやすくなります。
    ・子供は副鼻腔炎になりやすい反面、大人と比べて慢性化は少ないという特徴があります。
    幼児期は免疫も不十分なため風邪をひきやすい、アデノイドの肥大があるなど反面、副鼻腔が小さい、鼻腔との入口が大きくつながっている、などの理由です。
    ・物が2重に見える、視野の欠損(視神経炎など)、視力低下、激しい頭痛があれば緊急手術が必要になることがあります
    ・慢性副鼻腔炎で通院治療を半年以上続けても改善が見られない場合には手術も検討します。
    ・長い間、慢性副鼻腔炎に罹患していた人が、血が混じる、頬がしびれて痛い、悪臭、などがあれば悪性腫瘍も疑っての検査をすることがあります。
    ・近年、一般の副鼻腔に比べて難治性の好酸球性副鼻腔炎という病気が問題になっています。 この病気は治療にステロイドの内服や点鼻、抗ロイコトリエン剤などを使用します。マクロライドや抗ヒスタミン剤は効果がありません。

ページトップへもどる

嗅覚障害

においを感知するのは、鼻の一番奥、嗅裂と呼ばれる鼻の空間の一番上の方の部分です。
臭いをつかさどる嗅神経は鼻の奥に多数枝を出しており(嗅糸と呼ばれます)、鼻の上部の粘膜に分布し、そこに到達した物質を感知します
多数の枝が合流して嗅神経となり、その神経から脳に伝わって臭いを感じます。
においを感じる経路のどこかに障害が起こる、あるいは脳で認知できなくなると嗅覚障害を発症します。
この障害のために、食物の腐敗がわからない、火事に気づかない、ガス漏れに気づかない、味もわからなくなる、などに日常生活に支障をきたします。

  • 嗅覚障害の分類と原因

    ① 呼吸性嗅覚障害
    鼻の粘膜が腫れるなどして臭いの成分が嗅神経に到達できなくなるために起こります。
    原因となる主な病気は急性・慢性鼻炎、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻茸(ポリープ)などです。
    ② 嗅粘膜性嗅覚障害
    嗅神経の枝が分布する嗅粘膜に何らの障害がおきて嗅覚障害がでます。 主な原因は風邪によるウイルス感染や、有害なガス、加齢などがあげられます。
    ③ 混合性嗅覚障害
    呼吸性と嗅粘膜性の二つが混合して存在する場合です。 主な原因としてアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが挙げられます
    ④ 嗅神経の損傷
    嗅神経そのものが障害を受けるため起こるものです。 原因は、頭部の外傷による神経の断裂、一部の抗がん剤による断裂
    ⑤ 大脳の異常 脳の異常によるものが原因で外傷、脳梗塞、脳腫瘍、アルツハイマー病、パーキンソン病など、他、精神疾患により嗅覚過敏、異常嗅覚などを来たします。

  • 嗅覚障害の診断

    ・鼻腔の視診、鼻腔ファイバーによる観察
    鼻腔内を観察し、粘膜浮腫の状態、腫瘍などの確認
    ・静脈性嗅覚検査:
    アリナミンというニンニクの臭いがするビタミン剤を静脈注射し、においを感じ始める時間(潜伏時間:正常10秒弱)とにおいの持続時間(持続時間、正常1~2分)を調べます。 潜伏時間が短いほど、持続時間が長いほど予後がよいと考えらます。
    ・その他
    嗅覚障害がある人は、味覚障害も認めることがあるため、薬剤、亜鉛欠乏、貧血などを精査の上、治療します。

  • 嗅覚障害の治療

    風邪や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などがあればその治療を行います。
    嗅神経の障害が考えられる場合は下記のような治療を行います。
    ・ステロイドの点鼻
    リンデロンというステロイドの液体を主に使用します。鼻閉感が強い人やアレルギーがある方などは血管収縮剤を先に点鼻するとより効果的です。
    ・ビタミンB12、代謝賦活剤、味覚障害があれば亜鉛製剤などを使用します
    注意していただきたいこと
    ウイルス性の風邪の後に嗅覚障害が起こることが最も多く、嗅神経が障害を受けてから約1ヶ月以上経過すると回復は難しくなっていく傾向があります。 風邪を引いた後、においがわからない、あるいは風邪が治ったのににおいが戻らないなどの書状が1~2週間以上続く場合、早期治療が大切です。
    嗅覚障害が起こることにより、同時に味も分かりにくくなるため、味覚異常を自覚することが多いです。

ページトップへもどる

鼻出血

鼻の粘膜は、外頸動脈の枝(蝶口蓋動脈)と内頚動脈の枝(前、後篩骨動脈)から血液が流れてきています。 そして、鼻の中には左右の鼻の空間を隔てる鼻中隔という壁があり、鼻中隔の前の方の部位は、キーゼルバッハ部位と呼ばれています。
キーゼルバッハ部位は、血管が周囲から放射状に集まってきており、傷がつくと簡単に出血します。 鼻出血の80%以上は、このキーゼルバッハ部位からの出血です。キーゼルバッハ部位からの出血は、出血量は少ないためあまり心配がないことが多いです。
一方、出血量の多い鼻血が起こる部位は、下鼻甲介の後端で、蝶口蓋動脈やその枝から血流があります。 これらの動脈を損傷すると、出血量は多くなり、鼻出血だけでなく出血が鼻の奥から喉に流れ込みます。

  • 鼻出血の原因

    ①風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの炎症がある。
    鼻の粘膜の荒れていて、簡単に傷がつきやすい状態になっています。
    子供さんは風邪をよくひくため、鼻に血が混じることが日常でもよくあります。
    ②高血圧症や動脈硬化症
    血圧が高いと、それだけ血管に負荷がかかっているため出血の傾向があります。
    ③抗凝固剤を内服している。
    心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの病気、腎不全で透析をされている方などで血液をサラサラにする抗凝固剤を服用されている場合(ワーファリン、バイアスピリン、プラビックスなど)は通常より鼻血が出やすい傾向にあります。
    ④肝硬変がある。
    肝硬変があると、血小板が壊され減少して血が出やすくなります。
    ⑤鼻副鼻腔悪性腫瘍(鼻腔癌、上顎癌、悪性リンパ腫など)、若年性血管繊維腫など
    腫瘍からの出血により鼻出血が生じます。
    その他、白血病、再生不良性貧血など血液疾患や遺伝性の病気など様々の原因があります。

  • 鼻出血の治療

    特に子どもの鼻血は日常よくみられます。よく風邪をひくために鼻粘膜が荒れる、またアレルギー性鼻炎で鼻水や鼻のかゆみのため鼻をさわりすぎるからです。
    鼻出血の大半はキーゼルバッハ部位からですので、まずは鼻の外側から鼻の穴を閉じるように強く圧迫してください。まずはティッシュを詰めずになるべく下を向きながら行ってください。
    5分間程度押さえていれば止まることが多いです。
    それでも止まらない場合は病院を受診してください。
    出血部位をバイピーラーなどの止血の器具で焼灼や、ガーゼを挿入して止血することもあります。原因により薬の休薬、止血剤を内服していただくこともあります。

  • 注意していただきたいこと

    鼻血が出た時に、血が外に出ないように、上に向いたり仰向けに寝たりする方がいらっしゃいますが、喉に血が流れるだけで血は止まらず、血をのみこんでしまうことで気分が悪くなります。
    鼻血が出た後は、かゆみやかさぶたができても、なるべく触らないようにしてください。また激しい運動はさけ、熱いお風呂やアルコールは控えてください。

ページトップへもどる

アレルギー性鼻炎の根治を目指す 舌下免疫療法

舌下免疫療法という治療をご存知でしょうか?2014年10月にスギ花粉症に対する舌下免疫療法が日本国内でも始まっており、今後、スギ以外にも様々なアレルギーに対する舌下免疫療法が出てくると思われます。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質を口の中にしばらく含んだ後飲み込むことで、体を慣れさせていく治療です。これを毎日、一定期間行うことでアレルギー体質を改善していきます。アレルギー性鼻炎、花粉症の治療というと主にお薬を飲んで症状を抑えるというイメージがあるかと思いますが、これはあくまでも症状を抑えるのみであり、根本的な治療ではありません。舌下免疫療法などのアレルゲン免疫療法はアレルギーの根治をめざす、つまりアレルギーを根本的に改善し、長期間にわたり薬の減量や休薬をめざすことのできる治療です。
欧米ではスギだけでなく、ハウスダスト(ダニ)、カモガヤ、ブタクサなどのアレルギー性鼻炎、花粉症に対してもこの舌下免疫療法がおこなわれています。
当院でもこの舌下免疫療法を行っております。

  • アレルギー性鼻炎、花粉症の主な治療方法

    ① 薬による治療
    冒頭に述べました、抗アレルギー薬の飲み薬や鼻のスプレーなど薬による治療です。根本的に治す治療ではなく症状が出たときに薬により症状の改善させる方法ですが、手軽にできることがメリットです。
    ② 手術
    鼻の粘膜を焼いてアレルギー反応を起こさせないようにするレーザー手術、鼻の神経を切断しアレルギー反応を止める後鼻神経切断術などの手術があります。レーザー治療は改善が認められるものの、効果の持続はだいたい2,3年です。
    ③ 原因となる物質の回避
    言うまでもなく、アレルギーの原因となる物質を回避できることができればアレルギーは起こりません。ホコリ、ダニなどであればカーペットやぬいぐるみ、部屋の掃除をこまめにすることで軽減が期待できますし、スギであれば外出時にマスク・メガネを使用する、洗眼・うがいをこまめにするなどの。全くゼロにすることも難しいかもしれません。
    ④ アレルゲン免疫療法

    根本的な改善を目指すアレルゲン免疫療法には、長期にわたり治療効果が期待できる方法で、注射で行う減感作療法舌下に投与する舌下免疫療法があります。
    減感作療法は治療効果が非常に高く、以前より日本国内でも行われてきました。しかし注射を毎回行う必要があり、通院頻度も多いため、患者さんへの負担が大きく、行っている施設は限られています。
    一方、舌下免疫療法はアレルギーの原因となる物質を毎日、口に含み数年間続けることでアレルギー体質の改善を目指す治療で、
    注射ではなく口に含んで行うため痛みはなく、また自宅でできるため通院を減らせることなどから負担を減らしアレルギーの根治治療を目指せる治療として注目され、2014年10月にスギ花粉症に対する舌下免疫療法が日本国内ではじまりました。

  • 舌下免疫療法の治療の対象となる人

    根本的な治療を受けたいという方にはお勧めの治療ですが、この治療の受ける前にまず治療に対する理解が必要です。下記のような方は治療をご検討ください。
    ① アレルギー性鼻炎であること
    鼻炎には副鼻腔炎はじめ、血管運動性鼻炎、肥厚性鼻炎、萎縮性鼻炎など様々な鼻炎があり、アレルギー性鼻炎と症状が似ているため間違いやすい鼻炎もあります。アレルギー性鼻炎であることを確認することが必要です。当院では確認のため採血検査を実施しどのようなアレルギー、花粉症があるかを調べます。
    舌下免疫療法の対象となるのは2015年12月の時点では、スギ花粉症、およびダニアレルギー性鼻炎の患者さんです。
    ② 抗アレルギー薬の効果が乏しい、または副作用がある
    抗アレルギー薬を飲んでも効果がイマイチである、あるいは薬を飲むと眠気などの副作用が強く出るような場合には、薬の減量、休薬を目指せるこの治療はお勧めです。
    ③ 長期間の効果を期待する人
    抗アレルギー薬はあくまでも出た症状に対して抑えるのみですので、薬を飲むのをやめると症状が出ます。またレーザーなどの治療も効果が永続するのは難しく数年で再燃するのが一般的です。体質を改善することで長期にわたり効果の持続を期待する方はご検討ください。

  • 治療を受けることができない方






    治療を受けることができないのか下記の方です。
    ① 12歳未満
    ② 治療薬で過去に重篤な副作用が出た人
    ③ 重症の気管支喘息の人
    ④ 免疫不全など免疫の病気の方、悪性腫瘍に罹患されている人

  • 治療に当たり注意が必要な方

    治療に注意が必要な方は下記の方です。
    ① 以前に減感作療法を受けて効果がなかった、または治療でアレルギーを起こした方
    ② 気管支喘息の人
    ③ 65歳以上の高齢の人
    ④ 妊婦、授乳中の人
    ⑤ 抜歯や口の中に傷や炎症などがある方
    ⑥ 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある人
    ⑦ 非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬 などの薬を内服されている人
    ⑧ 全身ステロイドの投与を受けている人
    ⑨ 複数のアレルギーをもち反応性が高い人

  • 治療に当たりご理解していただきたいこと

    治療にあたり理解が必要なことがいくつかあります。治療を継続するために特に下記のことはご理解ください。
    ① すべてのアレルギー性鼻炎が対象となるわけではない。
    2015年12月時点で対象となるのは、スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎の患者さんです。ですのでスギ以外にハウスダストやカモガヤなど複数のアレルギーがある方は効果が限定的になります。(今後、ダニをはじめ様々なアレルギーに対する治療薬が出てくることが期待できます。)
    ② 少なくとも2,3年以上という長期間の治療が必要
    治療の効果が出てくるのは少なくとも2年以上の治療が必要となります。2年よりも3年行った方が効果が高いデータも出ています。その間は毎日治療薬を口に含む必要があります。途中で治療薬を止めてしまうと最初からやり直しになります。
    ③ 治療効果が出ない人もいる
    完全にアレルギーの症状がなくなる人は20%、症状が軽くなり抗アレルギー薬を休薬または減量できるひとは50~60%ぐらいと言われており、全体として70~80%の人に治療効果がありますが、2、3割の人には効果がなかったという報告があります。

  • 治療の流れ

    当院での治療の流れにつきご説明いたします。



    ① 受診初日
    舌下免疫療法を希望される方は受付にお申し出ください。
    問診票をご記入いただき、舌下免疫療法の治療内容をご確認いただきます。具体的な治療の内容を確認いただいたうえで治療のご意思を確認いたします。
    診察にて、舌下免疫療法の適否を判断し、開始日の診察予約をしていただきます。
    過去にアレルギーの検査を行ったことのある方はクリニックにご持参ください。
    過去2年間に採血などのアレルギー検査を行ったことのない方は、血液検査にてアレルギーの有無を確認させていただきます。
    (舌下免疫療法は、副作用が少ないですが、初回投与時は30分間クリニック内で副作用の有無をチェックするため、予約制とさせていただきます。)
    ② 治療開始日
    診察室にて治療薬を投与し、2分間口の中に保持し、その後飲み込んでいただきます。5分間はうがいや食事をさけていただきます。 投与後30分間はクリニック内で待機していただき副作用の有無をチェックします。
    待機中にあらためて治療の概要を説明するとともに、患者さんが治療をしっかりご理解いただけるように簡単なテストをしていただきます。
    ③ 開始2週間以内
    約2週間かけて治療薬の量を増やしていきます。特に2週間以内は口が腫れたり、痒くなったり、舌の裏があれるなどの副作用が出やすい時期です。
    軽度であれば治療の継続は可能です。副作用を抑えるために、抗アレルギー薬を同時に飲んでもらうこともあります。
    ④ 2週間以降
    維持量の治療薬を毎日続けていただきます。花粉症の時期も含め毎日続けることが必要です。

  • 治療中に起こりうるトラブルと対処方法

    ① 薬を飲み忘れた
    誰しもが起こりうることです。朝毎日飲んでいる方が忘れて夕方以降に思い出した場合には気づいたときに飲んでいただいて結構です。翌日気づいたときには一日分のみを飲んでください。決して2日分飲まないでください。数日間忘れてしまった場合には
    副作用を避けるため、忘れていた期間によっては最初からやり直す場合があります。
    ② 治療中にもアレルギー症状が出て困る
    このような場合には、抗アレルギー薬の使用が可能で治療も継続できます。ただしステロイドを含んだ抗アレルギー薬の使用はできません。
    ③ 治療中に妊娠してしまった。
    海外の文献では治療薬の胎児への催奇形性はないと言われており、治療の継続は可能と報告されていますが、日本国内では明確な回答が示されていません。患者さんと相談の上慎重に方針を決めさせていただきたいと思います。

  • 治療の副作用

    舌下免疫療法は海外では行われ何十年も前から行われていますが、重篤な副作用も少ない治療です。
    副作用で最も怖いのは、アナフィラキシーと呼ばれるショック症状です。これまでに海外でも数例の報告があり、全くのゼロというわけではありません。
    投与後30分以内に顔面蒼白、意識レベルの低下、腹痛や嘔吐、呼吸困難、蕁麻疹といった症状が現れた場合、救急車を呼ぶなどの迅速な対応が必要です。

    一方、投与中に軽度の副作用を見ることは時々ありますが、治療を継続できるケースがほとんどです。
    口内炎・舌や口腔底の腫れ
    喉のイガイガや違和感
    頭痛

    などが挙げられます。上記のような症状が出た場合、症状によって治療が継続できるか中止するか判断しますので、早めに受診してください

ページトップへもどる

お問い合わせ

住所
〒571-0030
大阪府門真市末広町7-5 樋口ビル2F
Tel
06-6909-3387
診療時間
月・火・木・金
午前9時~12時30分
午後4時〜7時
水・土(午前のみ)
午前9時~12時30分
日・祝日(休診)

アクセス
門真市の京阪古川橋駅南口から徒歩1分 
南口ロータリー内

便利メモ

【夜間・休日診療所】
門真市保健福祉センター診療所
内科・小児科・歯科
TEL.06-6903-3000
【夜間のみ】
北河内夜間救急センター(枚方市)
小児科(15歳未満)
TEL.072-840-7555
【病気やケガで困った時】
救急安心センターおおさか
24時間 365日
TEL.#7119または06-6582-7119
【大阪府の医療機関を探したい】
大阪府救急医療情報センター
24時間 365日
TEL.06-6693-1199
門真市役所
TEL.06-6902-1231
© 2015 Imaizumi ENT Clinic. All rights reserved.