滲出性中耳炎

鼓膜の奥には中耳という空間があり、正常の状態は空気があります。
唾や食事の際に飲み込むことで耳と鼻をつなぐ耳管が開き、空気が入っていきます。滲出性中耳炎は中耳に水がたまり、鼓膜の動きが悪くなるため難聴を来した状態です。

  • 滲出性中耳炎の原因

    中耳と鼻をつなぐ耳管の機能が悪いために起こります。
    急性中耳炎にかかったあと、中耳の粘膜が浮腫を起こしたり、風邪で鼻の粘膜が浮腫を起こすなどして、耳管の通りが悪くなり、滲出性中耳炎に移行することがあります。
    またアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、扁桃肥大、アデノイド肥大などがあると治りにくくなります。

  • 滲出性中耳炎の症状

    難聴、耳の詰まった感じ、自分の声が響く感じがあります。
    幼児では、耳をよくさわる、呼びかけても反応がにぶい、テレビの音が大きい、など症状がはっきりしないことも多くあります。

  • 滲出性中耳炎の治療

    チューブ留置術施行後

    滲出性中耳炎の基礎疾患は前述のように鼻炎が多いため、鼻炎の治療を行います。アレルギー性鼻炎であれば抗アレルギー剤を、副鼻腔炎であれば副鼻腔炎に対する治療を行います。
    また耳管から中耳に空気を通す通気療法を繰り返します。それでもなかなか治らなければ鼓膜切開、鼓膜チューブ挿入術を検討します。

  • 注意していただきたいこと

    お風呂やプールの水が中耳という空間に入ったものではありません。ですのでお風呂に入ってもらっても大丈夫です。プールに関しては状況によりけりですので、適時ご相談ください。
    滲出性中耳炎が持続し真珠腫性中耳炎や癒着性中耳炎への移行の危険がある場合には鼓膜換気チューブをいれて様子をみます。
    幼児の滲出性中耳炎は大人と違って、中耳や鼻、耳管の構造が大人と違うため、鼻炎の治療や通気療法を行ってもなかなか治りにくい場合が多くあります。治るまでに月単位の期間を要することがあります。 少なくとも3か月は様子をみて、治らなければ鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術を検討します。アデノイドや扁桃腺が大きい場合には手術を行うこともあります。

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