補聴器について
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難聴について
年齢とともに、耳が遠くなったと感じられる方もいらっしゃると思います。
人間の聴力は加齢とともに少しずつではありますが、聴力は低下していきます。
これは病気ではなく誰でも経験することです。平均寿命が長くなり、難聴の方も年々増えているものと思われます。
また年齢だけでなく、例えば突発性難聴や長く慢性中耳炎に罹患するなど、なんらかの病気の後遺症として難聴が残ってしまう場合もあります。 これら、加齢による難聴、突発性難聴や中耳炎の後遺症などは、なかなか根治治療が難しい場合も多く、有効な治療方法がありません。 -
補聴器装用のメリット、デメリット
「話が聴こえにくい」、「テレビのボリュームが大きいと言われる」などの訴えで受診されます。 周りで生活するご家族の協力があり日常生活に支障がなく、また重大な病気がなければ心配する必要はありません。 しかし、「インターホンの音が聞こえない」「電話の呼び出し音が聞こえない」「車や人の気配に気が付かなかった」 「話が聞こえないが聴こえたふりをしている」「ガスの警報器の音が聞き逃すのが心配」など日常生活に支障をきたしてくる場合には補聴器を考慮する必要があります。
難聴は生活に不便なだけでなく、安全にも支障を来します。 -
補聴器装用までの流れ
補聴器をご検討されている方は、まず耳鼻咽喉科で検査を受けることをお勧めしています。 それは難聴の種類や程度を把握し、補聴器が適切なのかそうでないのかを判断できるからです。また難聴の原因が別にないか、確認する必要があるからです。
当院でも、聴力検査をはじめ、いくつかの検査により、難聴の種類、程度を把握し、補聴器の必要性を確認します。
その後、補聴器を実際につけていただき効果の有無の判定を行っていきます。
補聴器で聞こえが改善するようであれば、さらに最適な補聴器の種類の選択、音量の調整を行います。補聴器の種類には、耳穴型、耳かけ方、ポケット型などの種類があります。
軽度から中等度の難聴の方であれば、一般的には耳穴型をはじめ、その他の種類の補聴器でも幅広く選択が可能であることが多いです。 ただし自分の耳にしっかりフィットする形の補聴器を作成(イヤーモールド)する必要はあります。 音が漏れるとその音を補聴器がさらに増幅させ、キーンという音を発生させてしますからです。この現象はハウリングと呼ばれます。
一方、高度の難聴の方は、耳穴型の補聴器が適さないこともあります。これは音量を上げる必要があるため、どうしても“ハウリング”が起きやすいためです。
これらの難聴の程度を把握することでより適切な、補聴器の選択が可能です。補聴器には、補聴器特有の聴こえ方がありますので、慣れることも必要です。2,3か月は慣れるまでに必要なこともあります。
何度か補聴器の調整も必要で、最初の数週間は微調整をくり返していきます。ですので、補聴器を付けたら違和感が強かった、といった理由で補聴器をあきらめず、最初は辛抱強く試してください。
自分に適しているかどうか試しながら使用していただき、気に入ればと購入していただければと思います。補聴器をご検討されている方、また、使用中の補聴器に満足されていない方はお気軽にご相談ください。当院では予約制で補聴器外来を行っています。診療時間内に受診して、診察と検査を受けていただき、補聴器が適当であれば、補聴器外来の予約をして頂きます。