風邪(かぜ症候群)上気道炎

いわゆる“風邪”の原因となるものは細菌、ウイルスなど様々ありますが、実は上気道炎の90%以上はウイルス性です。
ウイルス性の風邪で代表的なものは約10種類でライノウイルスやコロナウイルス、消化器症状を伴うエンテロウイルス、 子供の手足口病やヘルパンギーナなどを引き起こすコクサッキーウイルスやエコーウイルス、 クループ症候群の原因として有名なパラインフルエンザウイルス、1歳以下の乳幼児では注意が必要なRSウイルス、 扁桃炎や結膜炎(プール熱)を来たすアデノウイルス、冬になると毎年話題になるインフルエンザウイルスなどです。
ウイルス感染が先行し、遅れて細菌感染が合併する頻度は2%以下と言われているため
大半の風邪は、少なくとも初期は抗生剤が効かないということです。

  • 風邪の症状

    ・症状はのどの痛みや発熱、鼻水、鼻閉、咳、痰などです。
    ・ウイルス感染は3日前後の潜伏期のあと、発症初期の1,2日目は水様性の鼻水や喉のイガイガがあり、 発症して3~5日ぐらいで鼻水、咽頭痛のピークとなり、5日以降で回復に向かい、鼻水も粘調になっていくというのがパターンです。
    ・インフルエンザは潜伏期間も1,2日と早く、発症してから1,2日で高熱が出ます。 アデノウイルスは5日前後高熱が続くこともあります。エンテロウイルスは腹痛、下痢などの消化器症状や来します。
    ・二次的に細菌感染が加わると、黄緑色や膿性の鼻水になっていきます。

  • 風邪の治療

    ・ウイルス感染が多いので、休養、睡眠をとり、栄養をつければ自然治癒が期待できます。
    ・ウイルスの風邪に特効薬はなく、抗生物質はウイルスには効きません。
    (インフルエンザは除きます。抗ウイルス薬というのはインフルエンザ、RSウイルス、ヘルペス、サイトメガロウイルスには存在しますが限られています)
    ・ただし細菌感染による感冒が疑われた場合、幼児や高齢者など免疫が弱い人には予防のため抗生剤を処方することがあります。
    ・症状緩和のためのお薬、いわゆる対処療法が中心になり、痛みや熱が強ければ消炎鎮痛剤、解熱剤を、鼻水がおおければアレルギーなどで使用する抗ヒスタミン剤を、それ以外には去痰剤、鎮咳剤を使用します。

  • 注意してほしいこと

    大半の風邪はウイルスですが、初期から細菌感染を疑われる場合や重篤な症状がある場合があります。 発症初期の1、2日目から鼻水が青っぱな、のどの痛みが強い、あるは高熱がある、また4,5日経っても高熱が持続し、悪化してきている場合は注意が必要です。

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