のどの違和感
なんとなく喉がイガイガする、引っかかる感じがする、痰がのどにへばりついた感じがするなど、喉の違和感が続く人がいます。 様々な検査をしても異常が見つからなことがよくあり、これを咽喉頭異常感症あるいは咽喉頭神経症と呼んでいます。咽喉頭異常感症はあくまでも他の原因ではないことを確認する必要があります。
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のどの違和感の原因
喉の違和感の原因はいろいろあります。咽頭炎、扁桃炎などの炎症性疾患や癌などの腫瘍、甲状腺の病気、貧血、肩こり、タバコ、アルコール、糖尿病など多岐にわたります。
その中で違和感を来たす原因として、比較的多いのは、副鼻腔炎で鼻の奥から喉に鼻水が流れ込む場合、逆流性食道炎で胃酸が喉まで上がってきた場合、アレルギーによるもの、などです。
原因がはっきりしない場合は、咽喉頭異常感症と呼んでいますが、自律神経失調症や心身症などの精神的なものや、女性に多いことから更年期障害などとの関連も示唆されています。 -
のどの違和感の検査
視診や問診、のど、鼻のファイバースコープ、既往歴、嗜好品(酒、たばこ)の有無、アレルギーの検査、頸部超音波検査など、諸検査を行い、原因を検索していきます。
それでも、原因がはっきりしない場合、咽喉頭異常感症として、取扱います。前述しましたが、あくまでも他の原因を除外することが大切です。 -
のどの違和感の治療
原因がわかればその病気の治療を行いますが、原因がわからない場合、まず副鼻腔炎や逆流性食道炎、アレルギーの治療を行うかどうか検討します。 明らかにそれらの病気でない場合には、抗不安薬の投与や、漢方薬(半夏厚朴湯、柴朴湯など)の投与を行います。
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・注意していただきたいこと
咽頭癌などの悪性腫瘍は初期のころは痛みを伴うことは少なく、症状が違和感だけということも少なくありません。 耳鼻科領域の悪性腫瘍(癌)はお酒、たばこと関連することが多いため、特にお酒を沢山飲まれる方で違和感が続く方は注意してください。
咽喉頭異常感症は、30~50歳ぐらいの女性に多い疾患です。のどの違和感を訴えて来院される方の多くはお酒やタバコもしない人が多く、検査を行っても、悪性腫瘍が見つかることは非常にまれです。