突発性難聴
ある日突然に起こる難聴です。耳鳴りやめまいを伴うこともあります。軽度、または低音のみの難聴であれば自然治癒することはありますが、後遺症が残る可能性もあります。 はっきりとした原因がないまま、急性の神経性難聴(感音性難聴とよばれます)が起きる病気で、突発性難聴と呼ばれています。
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突発性難聴の原因
原因は様々な説が言われていますが、はっきりとした原因は不明です。有力な説として「ウイルス感染」と「内耳循環障害」が挙げられます。
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ウイルス感染
ヘルペスウイルス(帯状疱疹や単純ヘルペス)などのウイルスが内耳に感染して、難聴、耳鳴りを引き起こします。三半規管が障害されるとめまいを引き起こします。
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内耳循環障害
動脈硬化や微小の出血、ストレスなどにより血管が収縮するなどして、内耳の血流が悪くなり、内耳の障害を引き起こすという説です。
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突発性難聴の診断
聴力検査で3つの周波数で30dBの低下していることが診断基準の一つです。 時には耳鳴り、めまいを伴います。手足のしびれ、頭痛、意識障害などの脳神経障害がないことを確認することが必要です。 必要に応じて頭部MRIなどを行い、聴神経腫瘍(内耳にできる良性の腫瘍)がないかを確かめます。 中耳炎などが起きて内耳に炎症が波及しても難聴をきたすことがありますが、突発性難聴と診断するのは、あくまでも原因が他に見つからない場合のみです。
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突発性難聴の治療
安静:ストレスや過労をとるための安静が必要となります。
・薬物療法
内服や点滴のビタミンB12、ATP、ステロイド薬、血管拡張薬などの薬を使用します。
点滴で行う場合には多量のステロイド薬を投与し、少しずつ薬の量を減らしていく治療がよく行われます。 ステロイドの服用で影響のする基礎疾患を有する方(高血圧、糖尿病、緑内障、うつ病など)は慎重に投与します。 -
注意していただきたいこと
とにかく早めの診断、治療が重要です!聞こえの神経は完全にダメージを受けると回復が困難になります。 発症して数日で神経障害が進行し、約2週間以上経過すると治療による効果は乏しくなります。 約1ヶ月で難聴は固定してしまいます。突然の難聴や耳鳴り、めまいが起こった場合には、出来るだけ早く受診してください。