味覚障害
味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの要素からなります。舌の表面に、味蕾という器官が存在しておりそこでその5つの要素を感知しています。 味蕾は舌の表面、舌の根本、咽頭にも存在していると言われています。
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味覚障害の原因
味覚障害の原因は様々ですが、亜鉛の欠乏によるものが多いと言われています。
味蕾を再生するのに亜鉛が必要で、不足することにより味蕾が減少するために起こると言われています。
亜鉛の欠乏は、偏食やダイエットによるものや、薬剤性(薬と亜鉛がくっついて体に吸収されずに排出される)により亜鉛不足が起こります。
その他の味覚障害の原因として、
風邪による舌の炎症、鉄欠乏性貧血による舌炎、心因性、糖尿病、肝疾患などなどによっても起こります。 -
味覚障害の検査
血液検査
血中の亜鉛、血清鉄、炎症反応や糖尿の有無をチェックします。 -
味覚障害の治療
・亜鉛の補給
バランスの取れた食事をとることで亜鉛を十分に摂取します。亜鉛を多く含む食べ物は、海藻類や牡蠣などの海産物、レバーなどです。
また食事療法とともに、亜鉛製剤の内服を行います。3か月程度の内服を目安に行いますが、治りが悪い場合には4,5か月内服してもらうこともあります。
・原疾患の治療
感冒の治療、貧血があれば鉄剤の内服、そして薬剤性の場合は、可能であれば薬の減量や休薬をしてもらいます。 糖尿病や肝疾患などの全身疾患がある場合は、これらの病気を専門の医師に治療していただきます。 -
注意していただきたいこと
・味覚障害は、早期治療により回復しやすく、半年をすぎると治りにくくなりますので、放置せずに早めにご相談ください。
・血中で感知される亜鉛は、体内の総亜鉛量のうちのほんの一部で、亜鉛の値が正常でも、亜鉛不足となっている可能性があり、血液検査が正常でも亜鉛製剤の内服を勧めることがあります。