アレルギー性鼻炎、花粉症
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アレルギー性鼻炎、花粉症の原因
アレルギーは、花粉やダニ、ほこりなどの物質に対して、鼻や気管支の粘膜が過剰に反応を起こすために生じます。 鼻水、くしゃみ、咳、痰が出て,ひどくなると粘膜のむくみが続き鼻つまりを起こします。
花粉症とは、花粉が原因でアレルギーを起こすものです。
花粉症もアレルギー性鼻炎の一つです。スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどの花粉が代表的で、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。
ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットのフケなど、一年中起こるアレルギー性鼻炎を、通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれます。 -
アレルギー性鼻炎、花粉症の症状
鼻水、くしゃみ、ひどくなると粘膜のむくみが、鼻つまりを起こします。 アレルギーは鼻の症状だけでなく、目がかゆくなったり(アレルギー性結膜炎)、喉の痛みやイガイガ(アレルギー性咽頭炎)、 咳や痰が出る(アレルギー性気管支炎)など、アレルギーを起こす場所によって様々な症状を引き起こします。
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アレルギー性鼻炎、花粉症の検査、治療
アレルギー性鼻炎の鼻ポリープ
当院で行うアレルギー検査
鼻汁好酸球検査:
鼻水を顕微鏡で観察しどのような細胞が出ているかを確認することで、アレルギー反応の有無を確認します。 具体的には、好酸球という細胞が確認できればアレルギーの可能性が高まります。
抗体検査 :RAST(特異的、非特異的IgE定量)
採血検査でアレルギーの有無を確認します。
ハウスダスト、ダニなど家のほこりで通年性アレルギーの原因となります
カビ;アルテルナリアというカビでエアコンやお風呂場など湿気の多いところに存在し、通年性アレルギーの原因です
スギ、ヒノキ;2~5月に飛散します
イネ科花粉;カモガヤ、5月~9月の夏場が中心です。
キク科花粉;ヨモギ、ブタクサ、秋の代表的な花粉症の原因
必要に応じてイヌ、ネコなどのペット、ゴキブリなどのアレルゲンを検査します。 -
アレルギー性鼻炎・花粉症の治療
① 薬物療法
症状に応じて内服薬,目薬,鼻のスプレー,のどの吸入薬を用います。 具体的には、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤などの抗アレルギー薬やステロイドの内服や点鼻、点眼を行います。 症状に応じて内服薬も複数内服したり、点薬を併用することがあります。
花粉症で原因の場合,症状が出る前から「予防投薬」を行うが効果的です。例えばスギの花粉症ならば,花粉が飛び始める前の1月下旬からの飲み薬を開始すると、症状が楽になります。
② 漢方薬による治療
内服の治療として漢方薬を使うことがあります。漢方薬をご希望の方はその旨をお伝えください。
③ 手術
"下鼻甲介粘膜レ-ザ-焼灼術というレーザーで粘膜を焼く手術を行っています。
下記のような方には積極的におすすめしています。
薬が効きにくい人
薬で眠気が出る人
薬を減らしたい人
鼻づまり感が強い人
妊娠希望や実際に妊娠している人、授乳中の人
季節性アレルギー性鼻炎の人
(通年性アレルギー性鼻炎の人は効果の持続が短くなる可能性があります)
効果が乏しい場合には数か月以内に2回行うことがあり、繰り返していくうちに効果が出やすくなります。
症状を抑える対症療法の一つですので、アレルギー体質が変わるわけではありません。
レーザー治療の効果の持続期間はだいたい2年前後ですが、個人差があります。しかし通年性アレルギー性鼻炎の人は、効果が短くなる傾向があります。
薬の中止や減量できたり、薬は必要だが症状は楽になったという方が大半ですが、完全にアレルギーがなくなることはないことをご理解ください。
レーザー治療は保険が適用でき、3割負担の方で、両鼻合わせて約9,000円程度になります。 -
注意していただきたいこと
アレルギーがあると、かぜをひきやすく、また長引きやすくなります。また中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎を合併しやすくなるので注意が必要です。
食生活の変化や環境汚染、衛生環境の改善など様々な原因でアレルギー体質の人が増えてきており、また発症年令も低年齢化してきています。 例えば、スギなどの花粉症は以前まで小学性で発症することが多く、2,3歳児のアレルギーに罹患した場合その原因はダニなどが多かったと言えます。 しかし花粉を毎年吸う事によって早ければ2、3才から発症するお子さんも時々見かけるようになりました。 -
花粉症やダニ,カビのアレルギーの方の日常生活の注意点
・花粉症時期は家族全員の協力が必要です。家の中に持ち込まないように玄関で服をたたいて花粉を落とすよう心がけてください。
・洗濯物を干すときは午前中に干すようにしてください。花粉がもっとも飛ぶのは晴れた日の昼以降です。その時間帯はなるべく干さないようにしてください。
・じゅうたん,布製ソファ-、畳、ぬいぐるみなどは取り除くようにしてください。
・部屋の掃除を徹底して行うよう心掛けてください。
・梅雨は除湿,夏や冬も冷暖房に加え,除湿に心がけてください。